研究・技術開発紹介

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2022年6月28日

AIを用いた桟橋の残存耐力評価技術を開発

人工知能(AI)を用いた桟橋の残存耐力評価技術を開発しました。

背景

塩害などの厳しい海洋環境下に置かれる港湾施設は、海中部や桟橋下面など目視では劣化状況を把握できない箇所があります。このため、不具合が生じてから補修や更新などの対策を講じる「事後保全型」の維持管理となることが多く、国土強靭化や経済の維持・発展の観点から「予防保全型」への転換が求められています。

概要

本技術は、港湾の桟橋が地震や経年劣化によってどのように損傷するかをAIで予測し、供用継続の可否、供用可能期間、補修補強を行うべき範囲や時期などを合理的に判断できる指標を提供します。これにより「予防保全型」の維持管理の促進に貢献します。

桟橋は一般に鋼管杭およびRC製の梁や床版で構成されますが、その寿命は梁の内部にある鉄筋の腐食具合に左右されます。そこで、段階的に鉄筋を腐食させた複数の梁の試験体に対して構造実験を行い、梁の劣化度と耐力の関係を明らかにしました。これにより、梁の部材毎に「損傷なし」、「ひび割れ損傷」、「降伏に至る損傷」、「終局に至る損傷」の4段階で評価できる構造解析プログラムを開発しました。さらに、桟橋の劣化度、設置水深、杭の径や本数、地震動などの入力条件と損傷解析結果について、約2,000ケースもの組み合わせをAIに学習させることで、桟橋の残存耐力評価が可能なAIモデルを構築しました。これは地震による損傷を予測するだけでなく、劣化の進行も予測できるため、残存耐力の経年変化について評価することが可能です。

施設管理者は、地震の規模や発生時期などの設定を変えて、構造安定性の評価、供用可能期間、現状行うべき具体的措置を確認することができます。また、補修を行った場合にはその範囲や時期などの条件も追加設定可能であり、ライフサイクルコストを見据えた維持更新計画が立案できます。

残存耐力評価技術のシステム画面

残存耐力評価技術のシステム画面

(参考)
  • レベル1地震動※1およびレベル2地震動※2による損傷予測が可能
  • レベル2地震動は次の2種類の選択が可能
・プレート境界型:東日本大震災のような地震タイプ
・内陸直下型:阪神・淡路大震災のような地震タイプ
  • 桟橋の供用継続が可能な期間を算出可能
④ 立入禁止とすべき範囲の提示など現状行うべき具体的措置を提案可能
  ※1 レベル1地震動:対象施設の設計供用期間中に一度以上は受ける可能性の高い地震動
  ※2 レベル2地震動:対象施設において想定しうる最大規模の地震動

共同研究

本技術は、国立大学法人東京工業大学の岩波光保教授との共同開発です。

 

動画で紹介!五洋の技術

桟橋の残存耐力評価システム

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