研究・技術開発紹介
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最新の研究
2020年8月31日
技術研究所展示実験棟を省エネ改修
ZEB化提案の高度化、技術開発の更なる推進を目指して~
地球温暖化防止に向けた脱炭素化への動きを背景に、お客様の省エネルギー化に対する関心が高まっているなか、当社は、ZEB※1化技術の技術開発に積極的に取り組んでおります。当社が技術協力・施工しました久光製薬ミュージアムでは、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS※2)の最高ランク「☆☆☆☆☆」の「ZEB」認証を取得しています。
技術研究所では、さらなるZEB化技術の実証研究のため、展示実験棟の省エネ改修工事を実施し、2019年度より運用を開始しました。
※1 ZEB:Zero Energy Buildingの略称。年間一次エネルギー消費が正味(ネット)で概ねゼロとなる建築物。日本ではZEBの概念が拡張されており、太陽光発電などによる創エネルギー以外の省エネ効果によって、省エネ基準に対して50%以上の削減性能を持つ建築物を指す。
※2 BELS:Building Energy-efficiency Labeling Systemの略称。国土交通省が定めた「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づいた第三者機関の認証制度。5段階の星マークで表示する。
展示実験棟における省エネ技術の導入
今回の展示実験棟の省エネ改修は、これまでの取り組みを一歩進め、ZEB化技術の実証研究を目的として、5つのコンセプトを基に、最新技術を含めた多くの省エネ技術を建物内に配置、融合させました。省エネ率は72%(創エネ含まず)を見込んでいます。
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図-1 省エネ技術導入5つのコンセプト
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写真-2 導入技術の一例
省エネ実験室
展示実験棟内にある省エネ実験室は、省エネ効果の比較検証実験のため、広さや内装仕様が同一の2部屋で構成されており、それぞれの部屋に空調方法や制御方法など異なるシステムを導入しています。
改修後の展示実験棟は、当社のZEBに関する取り組みを体感できる建物であり、導入したZEB化・省エネ化の新技術の運用効果を検証するとともに、ZEB化・省エネ化や室内環境に関する技術開発を推進し、お客様への設計提案や技術提案等に幅広く活用していきます。
また、当社は2020年1月にZEBプランナー※3として登録を行いました。省エネ建物の建設やZEB実現を目指されるお客様のニーズにお応えしてまいります。
※3 ZEBプランナー:ZEBや省エネ建物を設計する技術や知見を活用し、ZEB実現に向けた相談窓口を設置、業務支援を行う法人を登録する制度。一般社団法人 環境共創イニシアチブが認定。