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2020年7月30日
BIMモデルを用いたプレキャスト工事統合施工管理システムを開発・運用開始
背景
超高層RCマンション建物では、柱・梁・床にプレキャスト(PCa)部材を用いることが一般的となっています。PCa工事では、工場での部材製作状況、取付順序の指定と協力業者への周知、取付作業のリアルタイムな進捗状況の管理が重要となります。建築工事において、BIMモデルを用いた施工管理システムはこれまでも各社で検討されてきましたが、BIMツール操作の習熟度や、建設現場や製作工場の関係者全員での活用が難しい側面がありました。そこで、当社は関係者間で必要な情報をBIMモデルにより容易に共有することができる施工管理システムを開発し、運用を開始しました。
五洋建設統合施工管理システム(PiCOMS(ピーコムス)
「五洋建設統合施工管理システム」(PiCOMS(ピーコムス):Penta-Ocean Integrated Construction Management System)では、超高層建物でのPCa工事の進捗状況を「見える化」し、製造・取付の情報を工事関係者間でリアルタイムに共有することが可能です。また、BIMに関する習熟度によらず、職員や作業員がタブレット等からBIMの3次元モデルの部材を選択して取付計画や実績を入力する等、簡便に操作できます。これにより、管理業務量を従来の約半分程度に減らし、業務効率を大幅に改善することができました。また、閲覧に関してはQRコードによりスマートフォンからも最新情報へアクセスできます。
特長
・PCa製作工場との情報共有により、製造~取付までの進捗状況を統括管理
・BIMの専門知識や専用の機器が不要、簡便な操作性により工事関係者全員で活用
・工事関係者の指示・報告等の管理業務量を従来の半分程度に削減
PCa工事進捗状況(黄:部材製作済 緑:工場塗装済 赤:取付済)
PCa部材取付順序の設定画面(赤:取付済 黄:製作済)
取付順序確認画面(3D&アニメーション表示可能)
現場適用
取り組みの初弾として、2019年9月より「武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事」で運用を開始しました。
外観パース
■武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業施設建築物
工事概要
・所 在 地 :東京都品川区小山三丁目地内
・発 注 者 :武蔵小山駅前通り地区市街地再開発組合
・設計監理:株式会社アールアイエー東京支社
・施 工 :五洋建設株式会社
・規 模 :延床面積 53,676.48m2
・構 造 :鉄筋コンクリート造、地上41階 地下2階
・竣 工 :2021年6月予定