研究・技術開発紹介

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2018年12月27日

国内初 港湾工事に本格的なCIMを導入

CIM図1

図-1 桟橋のCIMモデル(相馬港のLNG基地建設工事)

背景

国土交通省は、2012年にCIM(Construction Information Modeling/Management)の取組みを開始し、現在まで多くの試行業務や試行工事を実施してきました。2017年3月にはCIM導入ガイドラインが公開され、2018年度中には港湾版CIM導入ガイドラインの公開が予定されるなど、建設現場へのICT導入が加速しています。この動きに先行し、将来的な港湾工事の生産性向上に資するため、相馬港のLNG基地建設工事(発注者:石油資源開発株式会社)において、本格的なCIMを導入しました。港湾工事における効果検証を目的とし、桟橋ならびに、その付帯施設構築における、ほぼすべての工種を対象としました。

主な取り組み

① 施工手順の3D可視化検討

・構造物の3Dモデルに構築の時間要素を加味した4Dシミュレーション(図-2)による、着工から竣工まで工期全体にわたる空間的な可視化による施工手順の確認

② 海底地盤の可視化による出来形管理

・支持層を含む海底地層の可視化と鋼管杭の支持層への根入れ長の確認(図-3)

③ 施工前および施工中の干渉チェック

・上部工の配筋と付帯施設のアンカーおよび配管の干渉チェック(図-4)

・鋼管杭の現地出来形の逐次入力による鋼管杭と工場製作されたジャケットの干渉チェック

・ドローンを用いて3Dモデル化した既設構造物と新設する桟橋渡橋の干渉チェック

・上部工構築のための仮設支保工と桟橋部材の取り合い検討

④ 打設記録等の施工情報のCIMモデルへの付与

 

CIM図2

図-2 4D シミュレーションにより施工手順を検討

CIM図3

図-3 鋼管杭の根入れ長の確認

CIM図4

図-4 上部工の配筋と付帯施設のアンカーや配管の干渉チェック

効果

CIM導入により、工事着手前に構造物の位置関係や各部材、仮設構造の取り合いなどの干渉チェックを効率的に実施できるようになりました。また、これまで職員や協力業者が個別に検討し、とりまとめに時間を要していた船舶の配置計画や資機材の搬入計画、その他の作業計画を3Dモデルに統合し、工事の進捗状況を反映した4Dシミュレーションを可能にしました。これらの取り組みによって、作業者全員が工事イメージを共有できたため、施工の効率化に加え安全性の向上にも寄与し、工事関係者への説明においても、意思の疎通を円滑に図ることができました。港湾工事は厳しい環境下に置かれるため、施工の効率化だけではなく、出来形などの情報の蓄積が将来の維持管理や被災後の対応等に大きく役立ちます。

今後もCIMやi-Constructionに積極的に取り組み、建設生産プロセスの合理化に努め、建設現場の生産性向上に貢献していきます。

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