研究・技術開発紹介

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2015年3月20日

動的破砕による杭頭処理工法を実用化

場所打ち杭の杭頭処理は、一般に人力によるはつり作業や静的破砕剤によって行われていました。しかし、はつり作業では、周辺への騒音や振動の問題や作業員に対する負荷が大きいことが課題であり、静的破砕剤による処理では、処理に要する時間や破断面の制御に課題がありました。

そこで、当社は、カヤク・ジャパン株式会社、宇部興産株式会社および株式会社相模工業とともに、動的破砕技術を用いた新たな杭頭処理工法を開発しました。本工法は、非火薬の動的破砕剤を装填した「装薬ホルダー」により、鉛直方向と水平方向の破断面を瞬時に形成※させ、分割された解体片を重機で容易に処理することが可能です。本工法で騒音が発生するのは破砕時の一瞬間であり、破砕後の杭本体や鉄筋に影響を及ぼさないことを確認しております。なお、本工法を適用した場合、はつり作業の3~6倍の杭頭処理が可能であり、コストも1/2程度に抑制できる見込みです。

※動的破砕の原理:金属の還元反応で発生したガスの膨張圧を利用して破砕しています。

動的破砕による杭頭処理工法の手順
動的破砕による杭頭処理工法の手順

今回、杭径が大きいことに加えて、騒音の低減が課題であった仙台市内のマンション工事現場に適用しました。その結果、解体片の揚重方法に課題は見つかりましたが、適用した26本(φ2400)すべてについて、想定した通り、鉛直方向および水平方向に破断しました。

今後は、今回の現場適用で見出した改良ポイントを取り込んだ工法について検証を重ねながら、引き続き実建物への適用を図っていく予定です。

現場への適用状況
現場への適用状況

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動的破砕による杭頭処理工法を実建物へ適用

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