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2014年10月24日
サンゴ礁州島形成のメカニズムを解明
サンゴ礁州島とは、サンゴ礁上にサンゴ礫などが打ち上げられて作られる地形で、インド洋や太平洋島嶼国で多く見られます。サンゴ礁のリーフエッジによって砕波が生じ、その強い流れによってサンゴ礫が運搬・堆積することにより形成されます。サンゴ礁州島の形成メカニズムの解明は、わが国島嶼部だけに留まらず、地球温暖化による海面上昇によって水没が危惧されている太平洋の島嶼国の国土保全に役立つ新しい生態工学技術として期待されていました。
今回の研究では、先ず、沖縄県西表島の北側に位置するバラス島を対象に現地調査を行い、①白化で死亡したサンゴが礫になって堆積し島を大きくしていること、②2012年の台風来襲時に島がリーフ上で移動・変形しながら維持されていることを確認しました。次に、当社所有の平面水槽にて砂をサンゴ礫に見立てて行った州島形成実験より、太平洋島嶼国の環礁州島に見られるようなリング状の島が形成・維持される現象を再現することに成功しました。これらの結果より、サンゴ礁州島の形成・維持過程には、サンゴ礁リーフエッジにおける砕波による波高減衰、サンゴ礁リーフの大きさと波長との相対関係、そして島形成による波・流れの遮蔽作用が重要であることを解明しました。
さらに、リーフ内の平均水位やリーフエッジの砕波による波浪減衰、リーフ後方に向けた流速の増大などを再現可能なモデルを開発しました。この開発によりサンゴ礁州島形成の予測が可能となりました。
※ 本成果は、国土交通省建設技術研究開発助成制度による研究「サンゴ礁州島形成モデルの開発(研究代表:東京大学)」より得られたものです。
サンゴ礁州島形成のイメージ図
モデルとしたサンゴ礁州島「バラス島」
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