構造実験棟

構造実験棟では、反力壁等を含む載荷実験装置や水中振動台を用いて、構造物や部材の耐震性に関わる工法の開発等を行っています。また、万能試験機を用いて、超高強度コンクリートや環境に配慮したコンクリートの開発を行っています。

反力壁等を含む載荷実験装置および万能試験機

載荷実験装置（反力床、反力壁、加力フレーム、油圧ジャッキ、アクチュエータ）を用いて、構造部材または架構に地震荷重や風荷重等に相当する外力を作用させ、これら構造部材または架構がどの程度の耐力や剛性を有するかを検証できます。また、万能試験機では、鋼材やコンクリート等の建設材料の力学性能を調べる実験を行うことができます。これら設備を用いて、従来よりも優れた耐震性能をもつ工法や既存構造物の長寿命化のための補修技術の開発、並びに、超高強度コンクリートや環境に配慮したコンクリートの開発を行っています。

特徴

反力壁等を含む載荷実験装置では、大規模な実大スケールの実験を行うことができます。反力床、反力壁は、加力フレームおよび油圧ジャッキを介して荷重を試験体に作用させたときに発生する反力を確保するための設備です。反力壁の使用により、最大曲げモーメントに換算して30,000kN・m、最大せん断力に換算して15,000kNに相当する荷重を試験体に載荷することができます。また、アクチュエータの使用により、オンライン制御による静的または動的な荷重を試験体に載荷することができます。万能試験機では、自動制御による試験体への載荷が可能であり、最大で2000kNまで載荷することができます。

実験用途

• 各種構造部材（柱・梁・スラブ等）および架構の構造性能の検証
• 各種建設材料（鋼材・コンクリート等）の力学的性能の評価
• 構造部材や建設材料の施工に関する容易性・実現性の検証

柱梁結合部の構造実験

圧縮試験

水中振動台

水中振動台により、通常の振動台では再現が困難な水－地盤－構造物の動的相互作用を忠実に再現できます。当社では、臨海部における岸壁、護岸やプラント施設、橋梁基礎といった構造物の耐震性の確認や新構造形式構造物の開発に使用しています。

地震大国の我が国にとって、安全・安心な社会を構築するため、社会基盤の耐震化は重要なテーマです。社会基盤の耐震化には、模型振動実験で地震作用による構造物の挙動を高精度に評価し、その耐震性能を満足しうる合理的な対策効果を検証することが不可欠だと考えています。

特徴

• 定格200kNの模型で、ｘ軸：2.0G、y軸：1.0G、z軸：1.5Gまでの加振が可能。
• 三次元６自由度の同時加振が可能。
• DC-70Hzの広範囲な振動条件で加振が可能。
• 最大水深２ｍの水槽に水を張ることで、港湾構造物／臨港施設を対象とした地盤の液状化実験が可能。
• 水がない状態では、精密機器類や建築物を対象とした実験が可能。
• 振動台が浮き基礎形式のため、外部への振動影響がない。

実験用途

• 一般建築物や土木構造物の地震対策
• 精密機器等の地震対策（医療機器、コンピュータ機器）
• 液状化対策（杭・護岸・地盤改良・埋設管）